浴衣だけじゃない!夏に楽しむ着物の種類は?
こんにちは、菜々小町です。
これから暑くなってきて夏になると、花火大会や夏祭りなどに浴衣を着て出掛ける方もいらっしゃるかと思います。
夏真っ盛りの着物というと浴衣という感じがしますが、浴衣はカジュアルな着物です。
パーティーや食事会などに着物を着て出席したいと思った時、夏はどんな着物の種類があるの?……と思ってしまいますね!?
着物を着て行っても、全く場違いのものを着ていったら恥かしいし(笑)。
今回は、浴衣のほかに夏に着る着物の種類について、ご紹介いたします~!
夏の着物は浴衣以外にどんな種類があるの?
夏に着る着物というと浴衣がまず浮かんできますが、盆踊りや花火大会などに浴衣を着て出掛ける若い女性もいらっしゃって、気軽に楽しめる着物として人気ですね。
浴衣は、藍地や白地に朝顔などの模様が伝統的でしたが、今ではブルーやピンク、黄色やグリーンなどの地色にバラやチューリップ、蝶などの模様が入っていて、とってもカラフルです!
見ているだけでも楽しくなるような柄が多く、種類が沢山ありますね。
ですが、浴衣はもともとは入浴の時や入浴後に着ていたもので、「湯帷子(ゆかたびら)」といって素材は麻で出来ていたそうです。
お風呂上りに「いい湯だったな~♪」とさっぱりした体を包んで、寛ぐものだったんですね。
そして、江戸時代になる頃に、今の浴衣のように木綿の生地が使われるようになりました。
湯上りに着るものですから、外出着ではなかったということですね。
そのため、現代でも浴衣は下着の長襦袢(ながじゅばん)はつけず、足袋もはかずに素足に下駄を履きます。
浴衣はカジュアルな着物ですので、パーティーなどのあらたまった席や食事会などに着ていくことはできません。
浴衣は、洋服に例えるとTシャツやデニムのスカートのようなものではないでしょうか?
「じゃあ、夏、パーティーや食事会などに着ていくにはどんな着物を選べばいいの?」と思いますね。
着物も洋服と同じように、季節や着ていく場所(目的)に合わせて選ぶ必要があります。
真冬にTシャツ一枚とか、真夏にウールの長袖セーターを着て出かけることってあまりないですよね!?
親戚や友人の結婚式にTシャツにデニムのスカートで出席というのも、そうはないですよね!?
では、ちょっとあらたまった席にも着ていくことができる夏の着物にはどんなものがあるのでしょうか?
これから、徐々に暑くなって更衣(ころもがえ)になると着物は夏に合わせた仕立てのものになります。
着物の仕立ては2種類あって、裏をつけてある「袷(あわせ)」と裏をつけていない「単衣(ひとえ)」があり、袷は10月から翌年の5月頃まで着用し、単衣は6月から9月頃までの期間に着用します。
裏地がついている着物は、夏に着るには暑いですよね。
そのため、夏用の着物は裏地がついていない単衣になります。
単衣の生地の種類には、縮緬(ちりめん)・綸子(りんず)・紬(つむぎ)・木綿があります。
こちらが縮緬です ↓
そして、こちらの画像が紬になります ↓
単衣の中でも、7月と8月の盛夏に着る着物の種類に「絽(ろ)」や「紗(しゃ)」、「麻(あさ)」がありますが、これらは薄ものと呼ばれ、生地が薄く暑い夏の着物にぴったりと言えるでしょう。
あらたまった場には袷の着物がいいという意見もあるようですが、単衣の着物でもフォーマルなパーティーなどに着ていくことができます。
絽や紗は、7・8月の本当に短い期間のみ着られるものなので、普段から着物を着ている人でないと持っていることはないかと思いますが、夏の着物にしかない風合いを楽しめる着物です。
暑い夏に着る着物
夏に着る着物は裏をつけない仕立ての単衣になり、その単衣の着物の中で7月と8月の盛夏に着る着物には「絽」「紗」「麻」という種類があるということなのですが、では、「絽」「紗」「麻」のそれぞれの着物の特徴を見ていきましょう。
1.絽
からみ織りという織り方で織られていて、透けたようにみえる生地で軽いのが特徴です。
小町の祖母は普段から着物を着ていた人だったのですが、夏の暑い頃はこの絽の着物を着ていました。
本当に薄くて透けているように見え、とても涼やかな感じでした。
訪問着や色無地、小紋などがあり、下に着用する長襦袢や半衿は絽のものにします。
絽の訪問着に袋帯なら友人の結婚式やフォーマルなパーティーの席にも着ていけますし、色無地でも袋帯を合わせてフォーマルなパーティーに着ていくことができます。
訪問着とは、既婚・未婚を問わず着ることができる着物で、華やかで品のある色や模様で種類が豊富にあります。
色無地も既婚・未婚問わずに着ることができる、黒以外の一色で染められた模様のない無地の着物です。
紋をつけるとあらたまった席にも着ていくことができます。
小紋は、小さな模様の型紙を使って反物を染める型染めといわれるもので、小さい花柄などの模様が可愛らしい着物で街着として向いています。
2.紗
絽と同じくからみ織りの一種で織られていて、透けたようにみえ、軽さが特徴の生地。
訪問着や色無地、小紋などがあり、長襦袢や半衿は紗を選びます。
帯は、着物の格によって決まりますが、訪問着や色無地には袋帯、小紋には名古屋帯を合わせます。
絽の着物より格は下になるため、セミフォーマルな場やクラス会や同窓会などのカジュアルなパーティーや食事会に着ていくのにいいでしょう。
現代は着物を着る人が少ないため、小紋のような着物を着てちょっとした食事に出掛けても、周りから「お着物を着ていらしてくださった!」と言われ、感激されることがあります(笑)。
3.麻
絽と紗のほかに夏の着物の種類に麻があります。
麻の繊維から織られた生地で、上布(じょうふ)と呼ばれていた歴史があり、上等な織物という意味があるそうです。
現在、国産の麻自体が入手しにくいことから、大変希少価値のある着物となっています。
今、「麻」と表示されているのは「亜麻(リネン)」と「苧麻(ラミー)」の繊維に限定されていますが、国産の麻とは違う種類の植物の繊維で、上布と呼ばれていた国産の麻ではありません。
現在出回っている麻と表示されている生地は、硬くてシャリ感のあるものですよね。
ですが、古来からの日本の麻は、使い込むほどに柔らかい質感になります。
そして、蒸れにくい繊維の構造をしているので、汗をかきやすい夏でもサラサラとして気持ちがいいのです。
麻の着物は絣柄(かすりがら)の模様に織り上げられているものが多いようです。
無地に織り、模様をつけて訪問着にすることもできますが、麻の着物はカジュアルなオシャレ着として楽しむ着物となっています。
今は大変貴重なものとなった国産の麻の着物ですが、小町が持っている国産の麻糸が下の画像のものになります。
これをもっと細かく裂き、紡いでいくのですが、機織り(はたおり)まで全て手作業で行い、実際やると根気のいる作業です。
上等な織物といわれるのも納得です。
このように夏の着物は、薄手で軽い素材のもの、さらりとした種類の生地で作られていて、絽や紗は着物の格や帯の合わせ方によってフォーマルな場やセミフォーマルな場でも着ていくことができます。
まとめ
夏に着る着物は、裏をつけないで仕立ててある単衣といわれるもので、若い方に人気の浴衣も裏がついていないので単衣の着物ということになりますね。
そして、単衣の中でも7月と8月の盛夏に着られる着物に絽・紗・麻という種類がありますが、絽や紗は透けるよう薄く、軽いという特徴があり、見た目も涼し気で夏の着物に相応しい生地で作られています。
日本古来からの麻で作られた着物は汗をかいても蒸れにくく、洗濯をしても乾きが早い、丈夫で長持ち、使うほどに柔らかい質感となるなどの特徴がありますが、現在大変希少価値の高いものとなっています。
浴衣は花火大会や夏祭りなどに着ていくカジュアルな着物ですが、絽や紗などは訪問着にすればパーティーなどに着ていくことができますし、小紋は気軽な街着として楽しめる着物です。
着物も洋服と同じようにT.P.Oに合わせて選んで、いろんな楽しみ方ができるものなんですね。
夏は浴衣もいいですが、ちょっとしっとり大人っぽく絽や紗の着物を着て友人と食事会もいいかもしれませんね♪
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
菜々小町
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