私が体験した霊感商法の手口の事例は先祖の因縁でした
こんにちは、菜々小町です。
世の中には実に様々なビジネスがあって、小町が知らないビジネスも多分、数えきれないほど沢山あるのではないかと思います。
ビジネスが成り立つのは、それを必要としてる人がいるからにほかなりませんが、購入する側として、本当に必要かどうかはしっかりと見極める必要があるのではないでしょうか？
今日は小町が体験した、ある霊感商法の手口についてお話ししたいと思います。
このような事例もあると知っていただけたら幸いです。
先祖の因縁が子孫に影響を及ぼす……は霊感商法の謳い文句！
それは、２０１９年の梅雨の時期のことでした。
知人であるAさんから「ご無沙汰しております。久しぶりに会ってランチでもしませんか？」とメールがありました。
Aさんとは、数年前に知り合ったのですが、ずいぶん長いこと会っていませんでした。
メールを見た後、「わー、Aさん、こちらこそご無沙汰しております。是非、ランチしましょう。」と返信して、２週間後に会う約束をしました。
当日、私たちは都内のレストランで一緒に食事をして、お互いの近況などを話したりしました。
久しぶりに会ったということもあって、会話も弾み、とにかく楽しく食事をすることができました。
その後、近くのカフェでお茶をすることにしたのですが、テーブルに着くとまた、二人の会話が始まってずっと話していたのですが、途中、Aさんから「私、最近、ある人に出会ってから人生が良い方向に変わっていった体験をしたんです！」という言葉が出てきたのです。
「どんなことが変わったのですか？」と聞くと、「今までずっと恋愛が上手くいかなくて、悩んでいたんですけれど、恋愛関係が良くなったし、今まで疎遠だった妹との関係も良好になったんです！」と、にこやかにおっしゃるのです。
そして、「恋愛が上手くいかない原因は、先祖の影響によるものだったみたいで、それを祓ってもらったんです」とのこと。
彼女が言うには、先祖の因縁によって子孫が影響を受け、人生においていろんな障害が起こることがあるそうです。それは、本人がどんなに頑張っても改善することは不可能で、ご神事によってのみ改善できるというのです。
この話を聞いて、小町は半分は納得できるな……と思いました。
何故かというと、私たちはどんな人でも皆、父親と母親の遺伝子を受け継いでいます。
先祖代々、その遺伝子のリレーが連綿と続いて、今の自分がいるわけです。
遺伝子に刻まれた先祖の情報が、自分の中に存在しているということは、少なからず、その先祖たちの行動習性や思考、性格的なことも含め、病気や環境などによるストレスに対する耐性、体格なども受け継いでいると思います。それを「遺伝」といいますね。
ですので、遺伝による影響というものはあると思っています。
ただ、ご神事によって、それが全てクリアになるということについては……？？？
Aさんの話を聞いて小町は、「確かに誰もが両親の遺伝子を受け継いでいるし、先祖から受け継いでいるものはあるとは思います」と答えました。
すると、Aさんは「こういう話、信じない人もいるし、私も最初はよくわからなかったんですけど、実際、体験して信じるようになりました。もし、よかったら、その先生をご紹介します」と言われました。
そして、「先祖から影響を受けていることは何か？ それによって、自分の人生にとってどんなことが困難になっているのか？……を見てもらうのがいいと思います」と提案されました。
それって、占い？……と思ったので、「先祖からの影響って、何を元に調べるのですか？」と聞いてみると、「その人のお名前だけで、わかるそうなんです」とおっしゃるではないですか！？
「私の紹介ということで鑑定料５０００円で、先祖による影響を見てもらうことができます……」ということで、面白いから鑑定だけしてもらうことにしたのです。
さて、名前だけで先祖の因縁や影響がわかる……なんてことは、あるのでしょうか？
よくあるスピリチュアル系の場合、その人のエネルギーを感じることで性格や体の不調などがわかるという人がいますが、同じようなものなのでしょうか？
Aさんのことを疑っているわけではなく、陰陽師と名乗っているらしいその先生の鑑定ってどうなの？…… と単純に思ったのです。
何故なら、霊感商法の事例の多くが人生における不運や不幸は先祖の因縁による霊障だとか、先祖供養が足りないことが原因だといって、それを解消するにはお祓い（お布施）が必要です！ みたいな事を言っているからです。
「お祓いをしなければ不運は避けられません！」と不安を煽る手口ですね。
小町はその日、Aさんが仲介役となって、その先生の鑑定を申し込むことにしました。
久しぶりに会った知人は霊感商法の集客担当だった！その手口とは？
Aさんの話では、都内で整体や気功のようなセッションをやっていらっしゃる男性（Bさん）がいて、その方が鑑定してくださるようなのです。
教えていただいた口座に鑑定料を振り込むと、Bさんが鑑定結果を説明するので都合の良い日時を教えてほしいとの連絡がAさんからありました。
小町は、結果を直接Bさんから対面もしくは電話で聞けるものと思っていたのですが、なんとフェイスブックのメッセンジャーを使って説明しますと言われました。
こういった鑑定の結果報告には、大体、対面や電話でのほかにメールなどの書面で送られてきて、読んでわからない点がある場合には、メールで質問を受け付けるといったことが多いかと思います。
なぜ、メッセンジャー？ 無料で使えるからでしょうか。
ただ、メッセンジャーを使うには、フェイスブックのアカウントが必要なので、フェイスブックを使っていない人の場合はアカウントを取得しないといけません。
鑑定結果を聞く約束の日時になると、Aさんと例のBさんからフェイスブックの友達申請がきました。
承認すると、しばらくしてからAさんからグループへ招待されました。
「一体、何のグループ？……」と思いました。
鑑定結果を聞くのにわざわざグループに参加しなくてもいいわけじゃないですか。
なのに何故か、AさんとBさん、そして私の３人でグループが作られていました。
おかしいな……と思いながら、Bさんとはじめましてのご挨拶をした後、鑑定結果が書かれたものがチャットに送信されてきました。
そこには、性格的にどんな傾向をもっているかとか、健康面ではどこが弱いのかなどの項目の他、先祖によってどんなことが影響を受けているか（肉体的な健康や精神面、経済面、人間関係、仕事など）が記されていました。
ここからBさんによる鑑定結果の説明に入るのですが、なぜかAさんも同席です。
鑑定結果はもちろんAさんにも丸見えです。
あれ？……と思ったので、試しにBさんに鑑定結果についてひとつ質問してみたのですが、Bさんが答えるとなぜかAさんが「なるほど～。そういう意味なんですね～。」と言っているではありませんか！
え？……どういうこと？
公開鑑定なんて聞いていませんでしたよ〜。
Aさんを信用する・しないに関わらず、通常、鑑定士やカウンセラーはクライアントのプライバシーに配慮し、クライアントの許可なしに第三者に鑑定の内容を公表したり、また、その場に第三者を入れることはしないものです。
それを守秘義務といいます。
私とBさんの２人が、メッセンジャーでやりとりすればいいだけです。
そんな最低限、守られるべきことが守られていないというのは、クライアントにとってその場は安全ではないということをAさんとBさんに伝えたところ、お二人とも非常に驚いた様子でした。
そして、鑑定結果についてBさんが言うには「小町さんの場合、一番気になるのが、ご自分の能力がたったの１％しか発揮できていないことです」ということなのですが、１%って数字は一体どうやって出てきたものなのでしょうか（笑）。
更にBさんは「私たちの人生における運勢の強弱は皆、先祖の影響を受けています。先祖の因縁をお祓いによって、クリアにしてもらうほかにありません」と言うのです。
あぁ、きたか！！ お祓いビジネスへの誘導ですね（笑）。
しかも、この時知ったことは、実際の鑑定はBさん自身がしているのではなく、全く別の人（Cさん）がしていてその人がお祓いもするというのです。
どうやら、そのCさんが陰陽師ということらしく、Bさんはその人の布教活動をしているようなもので、Aさんはその集客担当だったんですね。
Aさん→Bさん→Cさん……という流れになっていたのです。
その手口を知り、「こういうことだったのか！」とAさんに対し、少し残念な気持ちと寂しい気持ちになりました。
小町は「これ以上のご説明は結構です。失礼いたします。」と入力し、グループから退席してチャットワークを終了し、パソコンを閉じました。
その後、Aさんからは、それっきり連絡はありません。
霊感商法の手口として、今回のような事例があるということを実際に体験してしまいました。
今、世の中がとても不安定な時代です。
そんな日々の中、将来についての不安を抱えて生きている人々の心に入り込むようなスピリチュアル系ビジネスや霊感商法が沢山あります。
それらは、美しい言葉を並べ幻想の世界を抱かせたり、また、不安を煽るようなことを言って人々を混乱させます。
そして、思考停止状態になった人達を依存させ、精神的自立を奪うものでもあったりするのです。
それが彼等の手口です。
祈ればすべてが上手くいく？……そんなことはありません！
パワーストーンブレスレットを身に着ければ健康も金運も運勢全般が良くなる？……そんなバカな！
不運は全てご先祖様のせい！先祖供養をすれば一生安泰？……責任転嫁しすぎでしょ！
祈ることやパワーストーンブレスレットを身に着けることで、心が落ち着くのならそれは良いと思いますし、ご先祖様を大切にすること自体は悪いことではないと思います。
小町自身もお盆やお彼岸などにお墓参りに行ったりしてますし、神社やお寺で供養してもらうことを批判してはおりません。
ですが、これから益々、このようなスピリチュアル系や霊感商法などのビジネスが増えていくのではないかと思いました。
今回の事例のように知人や友人から勧誘されるなんてこともあるかもしれません。
霊感商法にハマってしまうのは、現実逃避の状態。
先の見えない不安定な時代、人は何かを信じて、何かにすがりたくなるものだと思います。
現実から逃げ出したくなるようなこともあるかもしれません。
でも、だからこそ、Down to earth（地に足をつけて）で現実を受け止め、今を生きることが大事なのだとつくづく思った出来事でした。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
菜々小町
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