浅間神社に祀られている神様は富士山のあの絶世の美女だった!
こんにちは、菜々小町です。
日本を象徴する山といったら、多くの方は富士山が浮かぶと思います。
その富士山と全国にある浅間神社に祀られている神様とは、切っても切れない繋がりがあるのです。
さて、浅間神社に祀られている神様とは一体、どんな神様なのでしょうか?
全国にある浅間神社のご祭神はどんな神様?
日本にある浅間神社(せんげんじんじゃ)の数は、およそ1300社以上といわれていますが、その総本宮となるのが富士山の麓にある「富士山本宮浅間大社(ふじさんほんぐうせんげんたいしゃ)」です。
紀元前27年、第11代垂仁天皇の時代に活火山である富士山の噴火を鎮めるため、富士山麓に浅間大神(あさまおおかみ)を祀ったのがはじまりとされています。
いつ起こるかわからない富士山の噴火を恐れ、神様にお祈りして鎮めてもらおうとしたんですね。
その甲斐あって富士山の噴火が鎮まったことから、浅間大神のご神徳が世に広く知れ渡り、人々から崇められるようになりました。
浅間大社に祀られている浅間大神とは、山の神である大山津見神(おおやまつみのかみ)の娘の木花之佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)の別称と言われていますので、全国の浅間神社に祀られている主祭神は、木花之佐久夜毘売になります。
山の神様の娘である木花之佐久夜毘売が、日本を象徴する山である富士山の噴火を鎮めるために祀られているのです。
安産・家庭円満・縁結びなどのご利益があり、富士山の噴火を鎮めるということから火を消す水のパワーを持つ水神であるともいわれています。
また、父神の大山津見神と共に酒造の神様でもあります。
富士山をご神体とする富士山本宮浅間大社の本殿は、国の重要文化財に指定されていますし、桜がご神木とされていて、春には境内に植えられた500本以上の桜の花が人々の目を楽しませてくれる桜の名所にもなっています。
日本を代表する山である富士山と、日本の美しい桜の花を一緒に見ることができるなんて素敵です。
その中には、あの戦国武将の武田信玄のお手植えといわれる枝垂れ桜もありますから、参拝に訪れた時にはゆっくりと鑑賞されてみてはいかがでしょうか?
瓊瓊杵尊も一目ぼれ!浅間神社の神様は絶世の美女
浅間神社の主祭神は、山の神様である大山津見神(おおやまつみのかみ)の娘の木花之佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)ですが、その姿は桜の花のように若く美しく、絶世の美女といわれています。
その木花之佐久夜毘売にまつわる古事記の中に出てくるお話をご紹介したいと思います。
日向の高千穂に降り立った天照大御神(あまてらすおおみかみ)の孫の瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)は笠沙の岬(かささのみさき)で一人の美しい乙女に出会います。
その美しさに思わず声をかけ、名を尋ねると、自分は木花之佐久夜毘売といい、山の神の大山津見神の娘であるという。
瓊瓊杵尊は木花之佐久夜毘売にその場で求婚しますが、父である大山津見神に尋ねるようにと言われ、早速、大山津見神に木花之佐久夜毘売との結婚を申し入れます。
大山津見神は、天孫である瓊瓊杵尊からの娘との結婚の申し入れを大変喜び、木花之佐久夜毘売と共に姉の石長比売(いわながひめ)を嫁に送りだすことにしました。
木花之佐久夜毘売の姉ならば、きっと美しい娘に違いないと思っていた瓊瓊杵尊でしたが、妹の木花之佐久夜毘売とやって来た姉の石長比売は容姿があまり美しくなかったため、大山津見神に送り返してしまいます。
瓊瓊杵尊もはっきりしてますね(苦笑)。
神様の世界でも見た目が重要ってことなのでしょうか?
でも、ひどい!!
石長比売を送り返されてしまった大山津見神は、姉妹を一緒に送り出した理由を瓊瓊杵尊にこう述べました。
「石長比売を娶られれば、瓊瓊杵尊さまのご寿命は岩のように長く永遠に続き、木花之佐久夜毘売を娶られれば、瓊瓊杵尊さまの御代は桜の花のように栄えることを願い、二人を献上いたしました。しかし、石長比売をお返しになられたことで、天孫である瓊瓊杵尊さまのご寿命ははかなく短いものになることでしょう」
大山津見神のその言葉を聞いた瓊瓊杵尊ですが、もう後の祭りです。
古事記のこの話は、天照大御神の子孫である天皇の寿命が有限であることを述べています。
「疑うなんてひどい!」富士山の美しい神様は怒るとどうする?
全国にある浅間神社の主祭神である木花之佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)は、桜の花のように可憐で美しい神様として有名ですが、その美しいお姿からは想像できない気の強いところもお持ちのようです。
その美しくて気の強い神様が怒るとどうなるのでしょう?
富士山が噴火したかのように怒ってしまうのでしょうか?
ここからは、木花之佐久夜毘売が瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)のもとへお嫁入りした後のことをお話します。
絶世の美女といわれる木花之佐久夜毘売は、天孫である瓊瓊杵尊に求愛され、日向の宮殿にやって来ることになりました。
そこで木花之佐久夜毘売は、瓊瓊杵尊と一夜の契りを交わします。
しばらくしたある日、木花之佐久夜毘売が瓊瓊杵尊に御子を身ごもったことを告げます。
ところが、たった一夜の契りで身ごもるなどあり得ないと疑った瓊瓊杵尊は、木花之佐久夜毘売に「何処かの国津神(くにつかみ)との子であろう!?」と言い放ちます。
国津神(くにつかみ)とは、日本全国の地上にいる神々のことです。一方、天照大御神(あまてらすおおみかみ)をはじめとする高天原にいる神々のことを天津神(あまつかみ)といいます。大山津見神やその娘の木花之佐久夜毘売は国津神になりますが、天照大御神の孫である瓊瓊杵尊は天津神になります。
そのため、そんな簡単に国津神の娘が天津神の御子を身ごもるなんてことはない……ということなのでしょうか?
ひどい!! する事しておいて、それはないですよね!?
あんまりです(怒)
瓊瓊杵尊に疑われた木花之佐久夜毘売は、悔しくてたまらない。
「お腹の子が何処かの国津神の子なら無事に生まれることはないでしょうが、天津神の子ならどんなことがあろうと無事生まれてくるに違いありません!」と言って、出産の準備に入りました。
出口のない産屋を作り、その中に閉じ籠もったのです。
そして、盛んに燃える火の中であろうとも、国津神の御子であるならば無事に生まれてくることを証明するため、産屋に火をつけました。
燃え盛る炎の中、木花之佐久夜毘売は火照命(ほでりのみこと)・火須勢理命(ほすせりのみこと)・火遠理命(ほおりのみこと)の3人の御子を無事出産します。
これで、瓊瓊杵尊の疑いを晴らすことができたのです。
いくら身の潔白を証明するとはいえ、産屋に放火するとは、富士山の美しい神様でも怒るととんでもない行動をするんですね。
火の中から無事に御子を出産した木花之佐久夜毘売は、安産の守り神として信仰されています。
ちなみに、長男の火照命は海幸彦(うみさちひこ)、末子の火遠理命は山幸彦(やまさちひこ)のことで、ここからあの海幸彦と山幸彦の神話へと繋がっていくのです。
まとめ
全国にある浅間神社は、安産や家庭円満・縁結びなどのご利益のある神社ですが、その総本宮といわれるのが富士山の麓にある富士山本宮浅間大社です。
富士山をご神体とする浅間大社に祀られている神様は、絶世の美女としてその名が知られている木花之佐久夜毘売で、そのお姿は桜の花のように美しいといわれています。
富士山の噴火を鎮めるために祀られた浅間大神と同一神とされています。
山の神の娘である木花之佐久夜毘売が、富士山の噴火を鎮めるための神様として祀られるのは納得ですね。
天津神である瓊瓊杵尊とのあいだに御子をもうけますが、「自分の子ではないのでは?」と疑われ、身の潔白を証明するため、産屋に火をつけ、燃え盛る火の中で3人の御子を出産しました。
桜の花のように可憐で美しいといわれる神様でも、怒ると予想もしない驚くような行動をとるんですね。
以上、今日も最後までお読みいただき、ありがとうございます。
菜々小町
出雲大社に神様たちが大集合!その理由とは? ⇒「島根の出雲大社に神様が集結!その成り立ちの歴史を簡単におさらい」
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